時枝の夫は売れない小説家。その上病弱で入退院を繰り返す日々…。治療費もかさみ、借金が増えるばかりであった。毎日のように取り立て屋が激しく戸をたたき、大声で怒鳴り散らす。夫はますます具合が悪くなり、時枝も精神的に追い詰められ、甚だ参っていた。そんな折、借金の肩代わりを申し出たのが村の長者、田沼であった。だがその条件は一ヶ月間、彼に絶対服従すること…。田沼は村の中では知らぬ者はいない有名な助平ジジィであり、彼のところに行くからにはそれなりの覚悟が必要だ。しかしまだ女の働き口などめったに無い時代のこと…。時枝は悩み抜いた挙げ句、結局彼の申し出を受けるしかなかった。全38ページ、内34ページカラー作品です。